今上天皇が,生前退位の意向を示しているという。
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6207549
ちょっと深読みかもしれないが,理由を考えてみる。

第一に,皇太子の年齢が大きな要素の一つではないだろうか。
天皇の崩御(亡くなる)のいつになる当然かわからないが,皇太子が天皇の役割を覚えるには,早いにこしたことはない。皇太子の年齢は,今上天皇が即位した年齢とほぼ同じである。
おそらく,陛下も「自分なりの天皇の役割」を確立するのに苦労したという思いがあるのではないだろうか。仮に,天皇崩御後の即位が10年先になるとしたら,天皇を始める年齢は66歳である。普通に考えれば,相当苦労されるだろう。それを見越しての判断ではないだろうか。

第二に,社会への影響を考えてのことではないだろうか。
現状のまま天皇崩御を迎えると,(昭和天皇崩御時と同様なら)崩御翌日から新しい元号となる。社会は対応できるだろうか。
四半世紀前と比べて,圧倒的にコンピュータの時代である。あらゆるシステムを一気に書き換える必要がある。当然ながら,崩御翌日までにアップデート完了なんてことは現実的ではないので,企業によって差が出る。相当な混乱が予想される。もちろん,準備をすればいいのだが,天皇崩御を前提とした準備は「やりにくい」だろう。
この問題を生前退位で一気に解決する。当然,何年も前から日付単位で元号が変わる時がわかるのだから,社会全体での準備が容易となる。不謹慎でもない。

とこんなことが思ってみた。こんなことを考えての決断かもしれないと思うとやはり天皇はすごいなと。