高校野球で「タイブレーク」制度の導入が検討されている。タイブレークとは一定の時間や野球であればイニング数を消化しても決着がつかないときに,通常よりもより点数が入りやすい状況をつくって決着をつけてしまおうとすること(制度)。

最もわかりやすい例は,サッカーのPK戦。一般には,延長を含めて120分で決着が付かない場合,キッカーとゴールキーパーの1対1の勝負を行う。この方法だと開始何分後かには必ず決着がついている。他にも,テニスやソフトボールでも取り入れられている。

目的は試合の迅速化である。迅速化の目的はいろいろあるが,高校野球であげられているのは選手の健康。野球は(1試合当たりでは)サッカーほど消耗しないが,ピッチャーだけは別である。さらに,連戦(交代枠の少ない高校野球ではすなわち連投)になりやすいトーナメント方式の大会では,長い投球回でたまった疲労・消耗を回復するのもままならない。検討されて当然といえば当然。

が,反対意見も多い。それらは,概ね
・ドラマが,感動がなくなる。
に集約されそう。

考えてみる。高校野球ファンは,何を「感動するドラマ」だとみなすのか・・・。
○長い試合?
○精神が肉体を超える瞬間?
○へばりながら頑張る青少年の汗?
根性論的な価値が多いのかなと思う。根性に価値がないとは思わないが,スポーツは鍛え上げられた肉体と技術をぶつけ合うものだと思う。たとえばサッカーで時間無制限サドンデス方式の延長戦を行い,バタバテの選手がヘナチョコシュートを蹴り,足のもつれたキーパーが追いつけずに試合終了なんて面白いだろうか。すごい根性ドラマではあると思うが。
しかし,スポーツに何を求めるかは自由。タイブレーク制が多くの人に受け入れられなければ,高校野球が廃れるだけ。

私自身はタイブレーク制に賛成。健康管理ももちろんだが,新しい面白さが発見されるのではないか?ランナーがいる状態からイニングを始めるような方式が検討されているみたいだが,通常とはまったく異なる戦略が生まれるはずだ。タイブレークに入ると同時に選手交代をリセットするというルールを採用してほしい。真の意味で1点を全力でとりにいく,それはそれで面白いかもしれない。(9イニングかそれ以上を想定した)通常の野球の美学には反するかもしれないが。


新しい世界があるかも。